2016年2月1日月曜日

F.プーランク:ヴァイオリンソナタ

てもさん:

◎ジュイエ(vn)、ロジェ(pf)、94年(Dec)

プーランクのヴァイオリンソナタというちょっとマイナーな部類の作品。プーランクと言えばやはりピアノ曲。フランスのエスプリといった感じの小粋な小品が並ぶ。一方でヴァイオリンソナタはというと、冒頭だけ聞くとなんだか妙ちきりんな曲に聞こえて当時のぼくは危うくCDの演奏を止めそうになったけど、途中からはメロディーメーカーとしてのプーランクの側面が出てきて意外にも聴きやすい作品だと思う。演奏は2種類チョイス。まずはジュイエ盤。シャンタル・ジュイエはモントリオール響のコンミスで、デュトワと結婚したとかなんとか・・笑。ぼくもこの演奏で初めて知ったヴァイオリニストだけども、まさに女流!って感じの演奏で、なかなか艶っぽい演奏をする。他の演奏者ならさらっと楽譜通り流すところも、レガートで粘っこく歌ったり、絶妙な音程感覚と濃厚なビブラートで危うい美しさを表現したり。でもあくまで線は細いので、濃厚なんだけど、野暮ったさは皆無。とまあ、ザ・おフランス的な演奏です。ぜひお試しあれ。

◯スーク(vn)、パネンカ(pf)、67年(Sup)

お次はスーク。洗練されたジュイエ盤に比べれば、こちらはちょいと野暮ったさの残る演奏。でも、67年という録音年だし、まだ現代風の演奏の台頭の黎明期でもあるので、こんなもんっしょ笑。フランクのヴァイオリンソナタのカップリングで付いてきた曲。最初はフランクのおまけみたいに考えてたけど、肝心のフランクはあんまり琴線に触れなかったので、仕方なくプーランクを聞いたら当たりだったというオチ。スタイリッシュな演奏ではないけれど、ちょっと不思議な感じのする(きもち現代音楽的な)運動的な部分よりもプーランクの美しい旋律に焦点を当てた演奏で、彼のビビッドな美音も相まってユニークなプーランクになっていると思う(国籍不明の感はある笑)。
しかしこれを読んでくださっている方(いればの話だが苦笑)の中には、なぜ五嶋みどりを挙げないのかと見識を疑う方もおられるかもしれませんね。amazonでもかなりの高評価を得ているようでして・・買ってみたんだけど、どうも計算づくの感があるんだよねー。なんかとても窮屈で一瞬でこれは違うって思ってそれから聞いてない^^ゞ

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