2016年5月7日土曜日

C.フランク:ヴァイオリンソナタ

てもさん:

◎ティボー(vn)、コルトー(pf)、29年(EMI)

フランクのヴァイオリンソナタ。これ、ヴァイオリンソナタの中で一番好きな曲なんです。室内楽にハマったのもこの曲がきっかけ。いろいろと思い出深い曲ではあります。そして、一番初めに聞いた演奏がこのティボーの演奏。はじめは友達に言われるがままにティボーを聞いたのだが、まあ、いろいろ聞いていくうちに自分が気に入るものが見つかるだろうと思ってたら、どんどんいろんな演奏を聴きこむにつれてこの演奏がいかに特殊か、いかにティボーというヴァイオリニストの芸が半端なく上手いのかを知ることとなった。そして、現時点でこの盤を上回る出来の演奏を発見できていない。
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◯デュメイ(vn)、ピリス(pf)、93年(DG)

現代的な演奏部門においては、随一の出来。デュメイのヴァイオリンの魅力は、線の細い繊細な美音と、振幅の大きいコクのある(?)豊かなビブラートという相反する美質をもって聴かせる煌びやかな演奏スタイルにあると思う。そのエッセンスがもれなく詰まっているのがこのフランクのソナタと言える。
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▲タシュナー(vn)、ギーゼキング(pf)、47年(Bayer)

お次。大穴盤というほど"とんでも盤"(所謂と盤)ではないのだけど、あまり話題になることがなさそうなものをご紹介。タシュナーというバイオリニストはフーベルマンに師事してベルリンフィルのコンマスをも務めたなかなかの凄腕の人物です。
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ずみさん:

☆セルゲイ・ハチャトゥリアン(Vn), ルシーヌ・ハチャトゥリアン(Pf) (naive, 2008)

なかなか進まない音楽、がデュナーミクによっても表現されている。タイミングのとり方がいい。予想したのとは違うタイミングで、音がでてくる。そしてそれが効果的にハマっているのだ。 コルトーやティボーの流儀を受け継いでいると言ってもいいのではないだろうか。とはいえ、彼らより楽譜に忠実ではある。いやいや、比べなくていい、比べなくていい。どちらも好きだよ。
僕の今まで聴いてきたこの曲のイメージって、循環旋律の登場までつまらない曲、だったんだけれど、それが一気に塗り替えられて、全てが意味を持って配置されている、という感じを受けたのがこの録音。自信を持っておすすめできる。演奏者はアルメニア人だけれど、現代において最もフランスフランスしている気がする。
これね、ヴァイオリンだけじゃなくてピアノに依るところが大きい曲だけれど、この息の合いは姉弟ならではなんじゃないかなぁ。と思う次第。ひとことで、大雑把に言えば、こんな演奏してみたい。(2016/5/7)

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